“自動車会社と ECU メーカーは、競争に打ち勝つ手段の一つとして、制御ストラテジーの開発を幅広く捉えなくてはなりません。
競争に遅れをとらないようにする為には、合理化された開発プロセスが必要です” (Rolfsmeier et al, 2003). 
“製造会社とサプライヤーは、継続的に市場出荷までの時間と、開発コストを軽減する手法を探さなければなりません。
これらの要求を満たす解決策の一つとして、 ラピッドコントロールプロトタイピングがその適したテクノロジーとして、
開発されました。” (Shin et al, 2003).

それらのツールは存在していますが、このエリアにおける要求の増加により、ターゲット ECU へのアクセスと同一の物理的
リンクで、キャリブレーションツールと共にシームレスにラピッドプロトタイピング機能を同時に使用したいとのニーズが生じて
きています。今日までその様な要求があるにもかかわらず、標準機能としてパラメーターのシミュレーション等機能を
キャリブレーションツール内に統合化することは、一般的な運用時に生ずるループ回数と応答時間に起因するリアルタイム処理
能力改善の限界により、ECU キャリブレーションツールの標準機能として、ECU 上で確実にコントロールストラテージーを動作
させる事ができませんでした。

最新の MCS5/400 シリーズではこ れらの問題を解決し、リアルタイムでのラピッドプロトタイピング機能を実現しています。

Voorburg (2002) は、ソフトウェア開発プロセスのプログラミング、照合、テストフェーズで、期待した時間を削減できる事に
注目し、示しています。ソフトウェア開発プロセスの概要とそのキャリブレーション概略は、ECU メーカーから自動車関連企業
に対し、明らかにされていません。 その為、キャリブレーションを行う際、多くの予期せぬパラメータの相互作用に直面する事を
認識しておかなければなりません。 ラピッドプロトタイプモデルを用いることで、ECU ベンダーに対しソフトウェアの変更要求を
伝える事ができるので、ECU ストラテジーの早期改善を図る有効な解決策となるでしょう。
ラピッドプロトタイプモデルとオリジナルモデルはテストベッド上で同時にテストができますので、エンジニアの方は容易にその
比較が行えます。